子供に多い病気です。
風邪や上気道の炎症が起こると鼻やのどにいる細菌やウイルスが、せきやくしゃみなどにより耳管をさかのぼって中耳に入って炎症を起こします。
ひどい場合には中耳に膿が溜まります。
鼓膜の裏側(中耳)に滲出液が溜まる中耳の炎症です。
鼻の奥から耳管にかけて炎症が起こり、鼓膜の動きが鈍くなる為、耳が聞こえにくくなります。
よく鼻水の出ている子にかかりやすいです。
滲出液からは細菌やウイルスが検出されない場合もあります。痛みも熱もないのが特徴です。
●鼓膜切開の目的
①急性中耳炎・滲出性中耳炎の膿、貯留液の排除による治癒の促進
②分泌液貯留による耳痛・発熱・耳閉感・難聴などの症状の改善
鼓膜を切開する事で貯留液を排除します。鼓膜に麻酔を行い処置を行う為、痛みはありませんが大きな音が聞こえます。麻酔を使用する為、麻酔が切れるまで数時間は違和感が持続します。
●鼓膜を切っても大丈夫なの?
鼓膜切開をすると難聴などの後遺症が残るのではと心配されるかもしれませんが、鼓膜を切っても炎症が改善すれば鼓膜は元通りになります。
滲出性中耳炎は鼓膜の奥の中耳腔に滲出液という無菌性の液体がたまる病気です。
中耳の粘膜の炎症と、中耳・鼻・のどをつなぐ耳管の働きの低下が原因になり鼻やのどの炎症が影響すると考えられています。
また耳管を通って鼻やのどの細菌が中耳に感染すると急性中耳炎が発症します。
中耳腔は鼓膜で外界と隔てられているので、通常耳から水や菌が入っても中耳炎に影響はありませんが、雑菌を含んだプールの水が鼻やのどに入ることによって感染を起こした場合、急性・滲出性中耳炎が再燃することがあります。ですから風邪気味のとき、具体的には色のついた濁った鼻汁や痰のからんだ咳が出ているときなどはプールは控えた方がよいでしょう。
耳、鼻やのどの状態をチェックしながらであればプールは大丈夫だと思います。
耳鳴りの大部分は聴覚障害と関連しているとされています。耳鳴りがある方の大多数に聴覚障害(難聴)が認められ、しかも耳鳴と難聴との関係を詳しくみると耳鳴りは感音難聴、特に急性感音難聴例に多くみられます。
急性に発症した難聴に伴う耳鳴りとしては突発性難聴、特発性感音難聴、メニエル病などがあります。
もし耳鳴りがひどくなる場合は、こういった急性感音難聴などの病的異常の有無を精査します。
もし病的異常が認められなかった場合ですが、耳鳴りはその病因、病態が必ずしも明らかにされていないので基本的な治療方法として確立されたものはないのですが、耳鳴りと難聴は密接な関連性を持つと考えられるので一般の感音難聴に用いる治療方法が耳鳴りの有効な治療方法となります。
具体的には内服薬治療から開始しますが、耳鳴りのために不眠、あるいは十分な安静がとれないような場合は睡眠薬や抗不安薬も有効です。
尚、耳鳴りがあっても心配な病態がなく、それを受容できれば治療の必要はありません。
ダイビングで潜降するにつれて水圧が増すことで鼓膜の外側の圧力が増し、相対的に鼓膜の内側の圧力が小さくなります。
それに伴い鼓膜が内側に押されるために耳に違和感や塞がった感じがするようになります。
中耳腔と鼻咽腔は耳管という管でつながっていますが、普段は閉じた状態になっています。
耳管を自力で開けて中耳腔に空気を送り込み、鼓膜の内外の圧力平衡をとる方法が耳抜きです。
耳抜きがうまくできないと、鼓膜の内外の圧力差が大きくなり中耳気圧外傷、いわゆる中耳のスクイーズが起こります。鼓膜や中耳腔の出血、浸出液の貯留、ひどいときは鼓膜の穿孔が起こることもあります。